資金調達作戦(2)~1998年
ホテルの建設事業計画書を携え、ある民間大手銀行の融資窓口を訪ねました。住宅ローンを組んだことはありますが、こんな経験は初めてです。
「あの~、融資の件で伺ったのですけど」と受付嬢に訪問目的を告げると「あちらで少々待ち下さい。今、係りの者を呼びますので」と事務的な返事が返ってきました。
空調が効いた明るい部屋、期待と不安が入り混じり、さながら就活の際の面接のような気分で待っていると、30代後半と思われる担当者が現れました。ニコニコとして愛想はいいが、目は笑っていない。ということは隙がないということか。
名刺交換を済ませ、いよいよ本題の事業計画説明にはいったのです。
一通り説明が終わりました。そしたら
「なかなか面白い企画ですね、三木さん」 、ところで「返済計画書はお持ちですか?」
「・・・・・・・・・・・??」。
「・・・・・・・・・・??」。
その質問には答えられなかったのです。
と言う訳で最初の融資面接は失敗に終わりました。
面談を終えて、「そうだよな、貸して欲しいとうい金額も提示できないで、断られるのは当たり前だよな」
「紹介状も人脈もない得体の知れないサラリーマンの話しなんか、まともに聞いてもらえないよな」
そんなことをブツブツいいなが、自分を慰めていました。
でも、そんなことでめげる訳には行きません。銀行は他にもいっぱいあることだし・・・。
つづく・・。