2015年5月31日日曜日

風曜日奮闘記 その26「夢は摩周湖のほとりから」

売上アップ作戦Ⅰ 

いくら視察や見学者が多くても、新聞やテレビで紹介されても宿泊数は年々減少傾向をたどりました。今から思えば「バブル崩壊」が始まっていたのです。
返済猶予の期間も迫り、銀行支店長の監視するように来られるギラギラ顔もチラチラ。
なんとか売上を伸ばさなければいけません。

そこで売上アップ作戦として「日帰り入浴」を実施することにいたしました。
名づけて「風呂曜日」作戦。

きっかけは1本の電話から。
暑い日が続く8月のある日、地元の娘さんから「母をお風呂に入らせて欲しい」との電話が入りました。スーパーで良く見かける娘さんで、挨拶する程度のお付き合いです。
聞けば「母はディーサビスを利用しているが、この暑さで次の入浴まで辛抱させるのはかわいそうなの」とのことです。お母様は車椅子の利用。
「入浴のサポートは出来ませんが、それでもいいですか」と尋ねると、
「風曜日さんのお風呂でしたら大丈夫。私ができるワ」との返事。
多少知っている方でもあるし、まして地元の方です。
「お客様がチックインされる前でしたらどうぞ」と答えたのです。

午後2時から1時間ほどかけて入浴され、冷えた牛乳を飲まれる姿はいかにも満足そう。
すると、帰り際に財布から500円を取り出し私に手渡そうとされるではないですか。。
「そんな積りでお受けした訳ではありません。料金は結構です」と答えると、怒られました。
上気していた顔がますます赤くなり、
「せっかくこんな設備を造って、あんたは潰すつもり。商売をするノ。商売を!」
500円をフロントに置かれ、深々と頭をさげられ帰っていかれたのです。

  日帰り入浴受付ます。 名称:風呂曜日(ふろようび)
  料金:一人様500円、冷たい飲み物付

これがまた話題となり、新聞にも掲載され、遠くは帯広からも来られるようになったのです。

でも、でも、売上アップ作戦第1号「風呂曜日戦略」は休止に追い込まれました。理由は、灯油の高騰と人手不足です。

人に喜んでもらえ、社会的にも役立つ売上アップ戦略でしたが、私にはこれ以上の商才はないもとあきらめています。

2 件のコメント:

  1. 私は、精神科ソーシャルワーカーなので、風曜日さんの営業に役立つ様なコメントは、出来ませんが、折角素晴らしい施設をお持ちなので利用されない事が、社会的に大きな損失かと思います。月並みなコメントですが、地域の自治体の補助や介護施設等との連携等は、検討されたかと思いますが、再度他府県等のサービスも検討に値するかと考えます。例えば、大阪市ですが、ヘルパーの付き添い等で銭湯に行くのですが、バリアフリーな銭湯が無く困っている話等を聞いたことが多々有ります。基本は、自治体の補助が必要と思います、一施設での営業ではとうてい無理が有るかと思います。風曜日さんの施設が入浴に支障をきたしている人達に利用され喜ばれる事を強く希望します。

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  2. 追伸  最近は、国や自治体等も税収不足で社会保障費を削減していますが、傍らでは、公共事業費には、潤沢に予算を充てています。一人の「たま障」として政府等の政策には、怒りを持っております。折角利用出来る風曜日さんの施設が、必要としている方達に提供できないのは余りにも残念です。バリアフリー法や障害者差別解消法等アドバルーンばかり掲げて、中身が伴っていません。大昔に、北欧の社会保障を勉強していて感じた怒りを思い出します。風曜日さんの施設が、本当に、本当に必要とされる方達に利用される事をお祈りいたします。

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